コトゴトの散文

日常のコトゴトが題材の掌編小説や詩などの散文です。現在は「竹取物語」を遊牧民族の世界で再構築したジュブナイル小説「月の砂漠のかぐや姫」を執筆中です。宜しければ、ひとときおつきあいください。

【詩】 陽だまりの椅子 ~北風が吹くとき

f:id:kuninn:20171119225226j:plain

 

やあ

お帰りなさい

 

おやおや

かわいそうに

だいぶん凍えているようだね

さあさあ

こちらへいらっしゃい

この椅子に腰掛けて

ゆっくりと 温まるといいよ

うかい

強い北風に晒されたのかい

ギュッと縮こまって

耐えるしかなかったか

大変だったね

 

大丈夫

ちゃんと乗り越えたじゃないか

おなかの中に

自分というのものがズシーンと入っていれば

少々の風で

飛ばされることはないさ

大丈夫だよ

 

おや

もう行くのかね

じゅうぶん温まったかい

からだが疲れたら

こころが冷えたら

いつでも戻っておいでよ

待っているからね

 

では

気を付けて

行ってらっしゃい