コトゴトの散文

日常のコトゴトが題材の掌編小説や詩などの散文です。現在は「竹取物語」を遊牧民族の世界で再構築したジュブナイル小説「月の砂漠のかぐや姫」を執筆中です。宜しければ、ひとときおつきあいください。

【詩】 たったそれだけ

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母親が眠る ベットの横で

 

赤子は 握っていた手を開いた

 

生まれたときから ずっと握っていた その手を開いた

 

 

 

赤子が開いた 手のひらから

 

何かが立ちのぼって 空気の中へ溶けていった

 

暖かいようで 懐かしいような 何かが溶けていった

 

 

 

たった それだけ

 

たった それだけのこと

 

 

 

たった それだけのことで

 

何かを掴む自由を 赤子は 手に入れたんだ