コトゴトの散文

日常のコトゴトが題材の掌編小説や詩などの散文です。現在は「竹取物語」を遊牧民族の世界で再構築したジュブナイル小説「月の砂漠のかぐや姫」を執筆中です。また、短編小説集をBOOTHで発売しております。https://syuuhuudou.booth.pm/

【閑話】200編のマイルストーン

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 みなさん、こんにちは。くにんです。

 日本中、いや、世界中で、新型コロナウイルス(COVID-19)が広がっており、日常生活にまで大きな影響が及んでいます。少しでも早くこの病が治まればいいのですが・・・・・・。

 

 

 さて、おおよそ200編のマイルストーンです。区切りの良いマイルストーンですね。

 ちょっと一休み。肩の力を抜いて、閑話です。

 

 

御礼と「月の砂漠のかぐや姫」について 

 まずは、御礼を。

 マイルストーン「190編」から「200編」の間には、パソコンの不調及び買い替えにより、長いお休み期間が生じてしまいました。それにもかかわらず、こうして当サイトにお越しいただき、本当にありがとうございます。

 また、いつも「月の砂漠のかぐや姫」を始めとする創作や閑話を読んでいただいて、ありがとうございます! 

 

 お休み期間が長かったことと、連載そのものが大分長くなっていたことから、連載再開の前に「月の砂漠のかぐや姫」の第一話からを、あらすじで振り返ることにしました。

 ヒロインである輝夜姫(竹姫)、しばらく登場していませんでしたが、羽磋(羽)にとってこういう存在だったんですね。( *´艸`)

 

 その「月の砂漠のかぐや姫」。今でない時、ここでない場所。まだ人と精霊が近くに存在していた時代のゴビの砂漠を舞台として、遊牧民族「月の民」の少年少女が頑張るファンタジー物語です。

 話数は多いのですが、現在、第一話からあらすじで振り返っている途中です。本編に追いつく良い機会ですので、この機会に是非!

 羽や竹姫と一緒に、ゴビの砂漠を旅してみませんか!

 

www.kotogotono.com

 最初から読まれる方はこちらをどうぞ。

 

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 あらすじはこちらです。

 

 

 

今節の掌編小説「鬼ごっこ」

 今節は、掌編小説「鬼ごっこ」が入っています。本作はムラサキ (id:murasaki_kairo)さんがnoteで編んでおられるアンソロジーに投稿したものです。

 アンソロジーのテーマ、今回は「鬼」でした。

 当初の構想より、柔らかな表現で仕上がっていますが、当初案はもっと冷徹な作品でした。ネタをコネコネ、コネコネ、コネ発酵しているうちに、こういう感じになりました。('ω')

 

note.com

 

 

 

 

自宅待機中におすすめの本

 我が家にも高校生の娘がおりますが、新型コロナ渦で学校が休みとなり、家におります。

 不要不急の要件で外に出るのは自粛せよとのことですし、家でヒマしているようです。(勉強すればいいのに)

 

 「災い転じて福となす」ではありませんが、せっかくのまとまった時間ですし、本でも読めばいいのに何ですけどねぇ。どんな本でもいいと思います。ラノベでもいいですし。歴史物でもいい。自分が興味を持つところから入っていって、どんどん世界を広げていけばいいと思います。

 我が事を振り返れば、高校の頃は仮病を使って学校を休み、布団に籠って「グインサーガ」を読みふけっていましたっけ・・・・・・。

 

「自分の好きな本と言われても・・・・・・」という方もいらっしゃると思います。そこで、まとまった時間を楽しむため、シリーズものの本の中でくにんのおすすめをいくつか、ご参考までにご紹介したいと思います。いわゆる流行もの最新ものでないのはご容赦ください(^^;

 

〇小学生向け(目安です)

「ナルニア国物語」シリーズ 

 ●あらすじ(アマゾンHPより抜粋)
ママたちとはなれ、いなかの風がわりな教授の家にあずけられた四人の兄妹。
家の中を探検してると、末っ子のルーシーが大きな洋服だんすをみつけます。
ふと開けてみると、たんすのむこうは悪い魔女が支配する魔法の国ナルニアでした!
「この国を救うために、私たちが王様に!?」
命がけの冒険をへて、四人はふしぎなライオン“アスラン”とともに、魔女に戦いをいどみます!
世界中で愛される超名作をたくさんの絵と新訳で!

【くにんコメント】

 世界中で親しまれている「ナルニア国物語」シリーズの第一巻です。各出版社からいろんな訳が出ていますが、本シリーズは今の子供向けのイラスト付きで、子供には入りやすいのではないでしょうか。

 お話の面白さは、世界中の多くの読者から愛されていることからわかります。子供向けに書かれてはいるものの、単なる甘口のファンタジーではなく、しっかりと作りこまれた「物語」です。

 

「冒険者たち」シリーズ 
冒険者たち――ガンバと十五ひきの仲間

冒険者たち――ガンバと十五ひきの仲間

  • 作者:斎藤 惇夫
  • 発売日: 1982/11/08
  • メディア: 単行本
 

●あらすじ(アマゾンHPより抜粋)

2015年10月公開「GAMBA ガンバと仲間たち」原作。
イタチと戦う島ネズミを助けに,ガンバと15ひきの仲間は、船で夢見が島に向いました。しかし、白毛のノロイがひきいる、どうもうなイタチの群れに追いつめられ、海岸の岩山で最後の決戦の時をむかえます。 

 「冒険者たち-ガンバと15匹の仲間たち」、「ガンバとカワウソの冒険」、「グリックの冒険」というシリーズです。

 子供なら一度はあこがれる冒険の旅。本作は、ガンバという小さなネズミの大きな冒険の旅を描いた一作です。「冒険物とはこれだ」という王道の一作、一度読み始めたら、続きが気になって止められない。それだけの読み手を引き付ける力を持っている作品です。

 

 

〇中学生向け

「三国志」 
三国志 (1) (吉川英治歴史時代文庫 33)

三国志 (1) (吉川英治歴史時代文庫 33)

  • 作者:吉川 英治
  • 発売日: 1989/04/11
  • メディア: 文庫
 

● あらすじ(アマゾンHPより抜粋)

日本では卑弥呼が邪馬台国を統治する頃、中国は後漢も霊帝の代、政治の腐爛は黄巾賊を各地にはびこらせ、民衆は喘ぎ苦しむ。このとき、たく県は楼桑村の一青年劉備は、同志関羽、張飛と桃園に義盟を結び、害賊を討ち、世を救わんことを誓う。――以来100年の治乱興亡に展開する壮大な世紀のドラマ。その華麗な調べと哀婉の情は、吉川文学随一と定評のあるところである。

 【くにんコメント】

 言わずと知れた「吉川英治 三国志」です。「三国志」はいろいろな方が書かれていますが、やはり一番広く世に知られているのは、「吉川英治 三国志」ではないかと思います。

 面白いです。間違いのない面白さです。

 さらに、三国志の登場人物や出来事は、様々なゲームなどでも出てきます。ある意味、「他のゲームや漫画を楽しむための必須教養」であるとも言えます。この機会に是非お読みください。

 

「銀河英雄伝説」 
銀河英雄伝説 文庫 全10巻 完結セット (創元SF文庫)
 

●あらすじ(アマゾンHPから抜粋) 

 西暦2801年を宇宙暦1年とした遥かな未来。その勢力圏を銀河系にまで拡大させた人類は人類統一政府である銀河連邦を成立させるが、やがて進取の精神を失い、その政治体制は長い年月を経て腐敗していった。社会の閉塞感を打破する強力な指導者が求められる中、各地に出没して人々を悩ませ続けた宇宙海賊を壊滅させた連邦軍の英雄ルドルフ・フォン・ゴールデンバウムは、やがて政界に転ずると民衆の圧倒的支持を得て強大な政治的権力を掌握し、首相と国家元首を兼任して終身執政官を自称、独裁政権を確立した。宇宙暦310年に至って、「神聖にして不可侵たる」銀河帝国皇帝に即位して銀河帝国を建国、新たに帝国暦1年とした。みずから信奉する正義を疑わぬルドルフは、共和主義者を中心とした反対派を弾圧・粛清し、議会を解散して専制政治へと移行させた。共和主義者を排斥し弱者を社会から排除するその支配は苛烈を極める一方、自身を支持する「優秀な臣民」に対しては特権を与え、帝国を支える強固な貴族階級を形成した。ルドルフの死後も、至高の権力をえるのはその子孫にかぎられ、世襲だけが権力の移動のあるべき姿になったかにみえた。

  【くにんコメント】

 通称「銀英伝」。SF版三国志ということもできるかもしれません。

 三国志と違うところは、登場人物一人一人がとても丁寧に描写されているところです。それゆえに、1982年が初版のこの作品には今でも熱狂的なファンがついており、アニメ、ゲーム、コミックなど、様々な分野に作品世界が広がっています。

 好みのキャラクターを応援するも良し、賢王の下の帝政と暗愚な大衆による共和制と、どちらを支持すべきか悩むも良し。

 あなたが本作の一頁をめくる度に、銀河の歴史の一頁がめくられていくのです。

 

 

〇高校生向け

「グインサーガ」
豹頭の仮面―グイン・サーガ(1) (ハヤカワ文庫JA)

豹頭の仮面―グイン・サーガ(1) (ハヤカワ文庫JA)

  • 作者:栗本 薫
  • 発売日: 1979/09/29
  • メディア: 文庫
 

● あらすじ(Wikipedia「グイン・サーガ」より抜粋)

 首都クリスタルへのモンゴール軍の奇襲により、中原の歴史ある国パロは滅亡の危機に瀕していた。国王、王妃までもがモンゴール兵の手により殺害されるという状況の中、家臣はパロ王家に太古より伝わる古代機械(物質転送装置)を用いて、国王の長男にして王太子であるレムスと、その双子の姉リンダを友邦国アルゴスへ移送しようとした。が、古代機械の座標設定に狂いが生じ、2人はあろうことか敵勢力のまっただ中、モンゴール辺境にある魑魅魍魎の跋扈するルードの森へと転送されてしまった。

 身を守るすべとてなく、ただ怯えて身を隠すしかなかったレムスとリンダを、ついにモンゴール軍の小隊が発見し、絶体絶命の危機に追いつめる。しかしその時、突如として現われた豹頭人身の異形の超戦士が小隊を全滅させ、双子は難を逃れる。自分自身の名と「アウラ」「ランドック」という2語を除き、全ての記憶を失っていたこの豹頭の男グインは、戦いの後で憔悴し切って倒れるが、リンダの介護によって間もなく体力を取り戻し、以後2人と行動をともにすることとなる。 

  【くにんコメント】

 和製ヒロイックファンタジーと言えば・・・・・・の「グイン・サーガ」です。現在、本編が146巻、外伝が26巻出ています。作者である栗本薫さんが執筆途中で亡くなったため、五代ゆう、宵野ゆめのお二人が正編の続編を書いておられます。(外伝はほかの方も執筆されてます)

 非常に長く続く作品ですので、栗本さんが書いてらっしゃる時から、作風の変化が話の中に投影されていました。本作にはファンが多いだけに、様々な意見も寄せられていました。

 しかし、特に本作の1から10巻(ノスフェラスからパロへの帰還まで)は、不気味で薄暗いダークファンタジーの世界がぎゅうぎゅうに詰まっております。ヒロイックファンタジーファンには必読です。

 

 

「全てがFになる」 
すべてがFになる (講談社文庫)

すべてがFになる (講談社文庫)

  • 作者:森 博嗣
  • 発売日: 1998/12/11
  • メディア: 文庫
 

●あらすじ(アマゾンHPから抜粋)

 密室から飛び出した死体。究極の謎解きミステリィ。
コンピュータに残されたメッセージに挑む犀川助教授とお嬢様学生・萌絵。

孤島のハイテク研究所で、少女時代から完全に隔離された生活を送る天才工学博士・真賀田四季(まがたしき)。彼女の部屋からウエディング・ドレスをまとい両手両足を切断された死体が現れた。偶然、島を訪れていたN大助教授・犀川創平(さいかわそうへい)と女子学生・西之園萌絵(にしのそのもえ)が、この不可思議な密室殺人に挑む。新しい形の本格ミステリィ登場。

【くにんコメント】

 推理小説です。本作の主人公たちが登場する作品群が「S&Mシリーズ」とされています。(最初はそんなくくりなかったけどな)

 推理小説数ある中で、本シリーズは独特の「理系」的な乾いた空気感があるシリーズです。(個人的乾燥、いや、感想)

 本作も読み始めたらやめられない面白さがあるのですが、シリーズが進んでいくにつれてどんどんと人間味が出てくる登場人物たちが、初めて登場する「第一話」としても捉えられます。

 

 

 

〇大人 向け

「レ・ミゼラブル」
レ・ミゼラブル (1) (新潮文庫)

レ・ミゼラブル (1) (新潮文庫)

  • 作者:ユゴー
  • 発売日: 1967/05/12
  • メディア: 文庫
 

 ●あらすじ(アマゾンHPから抜粋)

 わずか一片のパンを盗んだために、19年間の監獄生活を送ることになった男、ジャン・ヴァルジャンの生涯。19世紀前半、革命と政変で動揺するフランス社会と民衆の生活を背景に、キリスト教的な真実の愛を描いた叙事詩的な大長編小説。本書はその第一部「ファンチーヌ」。ある司教の教えのもとに改心したジャンは、マドレーヌと名のって巨富と名声を得、市長にまで登りつめたが……。

【くにんコメント】

  ミュージカル、映画としても幅広く知られる「レ・ミゼラブル」。でも、「パンを盗んだだけで、ジャン・バルジャンが何年も捕まる話」というぐらいにしかご存じない方も多いのではないでしょうか。

 もったいない。

 こんなに面白い作品を読まないなんて、損してます。いや、あまり事前情報をお持ちでないというのは、むしろ幸いです。読みましょう。これだけ主人公の行く末を案じて読者の胸をどきどきとさせる作品は、そうはありません。さすがに時代を超えた不朽の名作、エンターテインメント作品の頂点です。

「レ・ミゼラブル」にも、いくつかの訳があります。子供向けのものは抄訳です。完全訳を読まれることをお勧めします。また、漠然とでも結構ですので、フランス革命当時の情勢をつかんでおくと、より作品世界を楽しめます。(特に後半のマリウス編)

 

 

「水滸伝」 
水滸伝 1 曙光の章 (集英社文庫 き 3-44)

水滸伝 1 曙光の章 (集英社文庫 き 3-44)

  • 作者:北方 謙三
  • 発売日: 2006/10/18
  • メディア: 文庫
 

 ●あらすじ(アマゾンHPから抜粋)

 十二世紀の中国、北宋末期。重税と暴政のために国は乱れ、民は困窮していた。その腐敗した政府を倒そうと、立ち上がった者たちがいた―。世直しへの強い志を胸に、漢たちは圧倒的な官軍に挑んでいく。地位を捨て、愛する者を失い、そして自らの命を懸けて闘う。彼らの熱き生きざまを刻む壮大な物語が、いま幕を開ける。第九回司馬遼太郎賞を受賞した世紀の傑作。

【くにんコメント】

 中国四大奇書の一つと言われる「水滸伝」。「名前は知っているけれど詳細な内容は知らない」という方がほとんどではないでしょうか。

 僕も「昔の中国で、政府に反逆した108人の漢が梁山泊に立てこもった話」としてしか認識していませんでした。吉川英治先生の水滸伝も読んだんのですが、未完なんですよね。

 本作は、北方健三が中国の「水滸伝」を一度バラバラに分解し、再構成した作品です。南総里見八犬伝もそうですが、講談物は登場人物の性格の区別や話の筋の整理が不十分になりがちです。不合理な部分を徹底的に廃止し、北方節の漢の生き様を注入した結果、人間が笑い、叫び、生き、そして、死んでいく、とても熱い作品となりました。

 なお、「水滸伝」の後には、「楊令伝」、そして、「岳飛伝」と続きます。(「大水滸伝」といいます)

 新型コロナ渦収束まで、十分楽しめること間違いなしです。

 

 

 

 

 

 では、今回のマイルストーンはこの辺りでお終いです。

 

 新型コロナウイルス、どこまで広がるかわかりませんが、十分な休養と十分な栄養をとって免疫力を上げていきましょう。みなさま、くれぐれもお身体にはお気を付けください。

 次回、210編のマイルストーンで、またお会いいたしましょう。