コトゴトの散文

日常のコトゴトが題材の掌編小説や詩などの散文です。現在は「竹取物語」を遊牧民族の世界で再構築したジュブナイル小説「月の砂漠のかぐや姫」を執筆中です。また、短編小説集をBOOTHで発売しております。https://syuuhuudou.booth.pm/

【閑話】460編のマイルストーン

 

 

 みなさん、こんばんは。くにんです。 

 湿度と気温が高い日が続いていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

 僕は、晴れている日は日傘を使い始めました。

 

 さて、今回は約460編のマイルストーンです。いつもの通り、肩の力を抜いた閑話です。(#^.^#)

 

  

 まずは、御礼を。

 いつも長編物語「月の砂漠のかぐや姫」や短編・掌編小説等の創作物をお読みいただき、誠にありがとうございます! 

 現在、「月の砂漠のかぐや姫」は、第2幕の終盤を進んでいます。どうしても台詞や状況説明が多くなってしまう場面が続き、話があまり進んでおりません・・・・・・。ただ、第2幕の終わりまでは明確に道筋が見えているので、後は羽磋たちと共にそこを進むだけ。頑張って行かねば! 

 「月の砂漠のかぐや姫」文庫本第1巻も、早く出さないとです。原稿の見直しも終盤なんですけど、もう一度最初から見直したくなってしまいました。再び増えてしまった作業量。その多さに身体がすくみ、心が怯え、手が止まってしまい・・・・・・。

 最近仕事が大変で、なかなか砂漠に行けないのが現状でありますが、少しずつでも進めます。この夏には発行の目途を立てたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

www.kotogotono.com

 

 

 今節には、掌編・短編小説が2編含まれています。「蛇とイヴの物語」と「最優秀死神の秘密」です。これらはムラサキさんがnoteで主宰されているアンソロジー「眠れぬ夜の奇妙なアンソロジー」に投稿したものです。前者を投稿した号のテーマは「蛇」で、後者を投稿した号のテーマは「自動的に消滅する」でした。

www.kotogotono.com

 

www.kotogotono.com

 

 

 「蛇とイヴの物語」は、最近いろいろなところで取り上げられている「生成AI」、「コンピューターによる自動生成」をモチーフにしています。

 SF漫画や小説では、昔から「進化したコンピューターが、人間は不要、あるいは、地球に害を与えるものと判断して、人間を滅ぼす」というシチュエーションがよく用いられてきましたが、とうとう現実世界でも、公的機関や知識人から、その恐れが指摘されるようになりましたね。

 もちろん、それが起これば大変恐ろしいことなんですが・・・・・・、どうなんでしょうね。人間って素晴らしくフレキシブルで何にでも対応できる非常に優秀な働き手で、それを機械に置き換えようとすると莫大な費用と労力と資源がかかります。専用機械を新たに開発・製造・維持管理するよりも、現に存在している人間・社会を用いた方が、よほど安価でサスティナブルな場面が多いと思うのです。合理的に考えるのが得意なコンピューターなら、いまの人間が作り上げた世界を生かした方が自分たちに有利だと思うような気がします。それに、彼らには「地球を救おう」とか「環境を守ろう」なんていう気持ちや使命は無いですからねぇ。彼らにとって、積極的に「人間を滅ぼす」理由は少ないようにも思います。

 

 「最優秀死神の秘密」は、発想の転換による爽快さを追求するよりも、読後にも「ああそうか」と心に残るようにと考えました。これの初回発表は2018年なんですねぇ。もう約5年前になるのかぁ。改めて振り返ると、自分も結構長い間書き続けてますね。

 

 ムラサキさんが主宰されている「眠れぬ夜の奇妙なアンソロジー」は、どなたでも参加できます。小説、詩、それに、イラスト等、創作物のジャンルは問いません。noteに投稿いただく際に、「#ネムキリスペクト」と末尾に記入いただければ、それを目印にムラサキさんが収集してくださります。

note.com

note.com

 

 

 

 

 いま読んでいる本は、塩野七生さんの「小説 イタリア・ルネサンス」の4巻です。塩野さんは、ローマ帝国の盛衰を描いた「ローマ人の物語」やヴェネチア共和国を取り上げた「海の都の物語」など、イタリアの歴史を題材にした本をたくさん出版されています。

 

 このような場合、どの作品から読み始めるのが一番良いのか迷うところですが、僕的には「出版された順」をまず考えます。よく「スターウォーズシリーズはどれから(どのエピソードから)見始めるべきか」と言われますが、これであれば個人的には映画公開順ですね。

 ところが、今回は出版時期を考えては選びませんでした。というのは、古本屋さんで塩野さんの作品が目に留まった都度購入していたので、それを考える余地がなかったのです。

 それでも、最初に読んだ「ローマ人の物語」だけは、アマゾンさんで指名買いしました。とにかくこれを読みたかったし、これしか知らなかったし。(笑)

 

 「ローマ人の物語」がとても面白かったので、「塩野さんの他の作品も読みたいな」と思って、ブックオフを訪れる度に塩野さんの本が安く並んでいないか探すようになったのです。そこで購入したのが「わが友マキャヴェッリ」、「チェーザレ・ボルジア あるいは優雅なる冷酷」、「海の都の物語 ヴェネチア共和国の一千年」及び「小説 イタリア・ルネサンス」でした。読み進めた順番は、ここで挙げた順番だったのですが、結果的には良い順番だったと思います。

 過去の出来事は後世に影響を与えますし、ある国で起きた大きな事件は同時期の周辺国に波及します。塩野さんの本でも、こちらの本で取り上げられていた人物や出来事が、あちらの本にも出てくるということがたくさんあります。

 「ローマ人の物語」で古代イタリアの成り立ちと分割して滅びていく経緯を知りました。その後「マキャヴェッリ」と言うフィレンチェの偉人について読むのですが、彼は中世イタリアの風雲児たる「チェーザレ・ボルジア」と共に過ごした時期があり、彼の視点からの「チェーザレ」像を知ることができます。次に「チェーザレ・ボルジア あるいは優雅なる冷酷」を読むと、「あー、あのチェーザレはこんな人物だったのか」と再発見・新発見があり、とても面白いです。

 

 また、フィレンチェ共和国の同時代のライバルであり、好対照とも言える政体を持っていたのですがヴェネチア共和国なのですが、「海の都の物語 ヴェネチア共和国の一千年」を読むと、「わが友マキャヴェッリ」でフィレンチェ共和国について読んでいるだけに、二か国の違いがとても鮮明に浮かんできて興味深さが増します。

 そして、「小説 イタリア・ルネサンス」なのですが、この作品は続き物でして、舞台が「ヴェネチア共和国」、「フィレンチェ共和国」、「ローマ(法王領)」、最後にもう一度「ヴェネチア共和国」と変わっていきます。たまたまなのですが、他の作品の後にこの作品を読むようになったお陰で、ストーリー背後の情勢がよくわかってより楽しむことができました。

 

 歴史は研究者によって見方が変わるものですが、これらの作品は塩野さんという同一の書き手によってつくられているので、それにブレがありません。塩野さんの描く「イタリア」世界のいろんな時代や場所を歩き、「あの人、こんなことをしてたよね」とか、「ああ、この街道はあの皇帝が整備していたなぁ」などと、まるで現実世界を旅するかのように浸ることができます。

 さらに嬉しいことは、塩野さんは多数の作品を発表されているので、まだまだ未読のものがあるということです。長編好きの僕にはたまりません。「ロードス島攻防記」や「レパントの海戦」も読みたいなぁ。ブックオフでの素敵な出会いがありますように!

 

 

 

 さて、今回のマイルストーンはこの辺りでお終いにしたいと思います。

 次のマイルストーンは、夏の終わりか秋の始まりぐらいでしょうか。

 これから夏本番を迎えますが、皆様も体調にはくれぐれもお気を付けください。

 では、また、次のマイルストーンでお会いいたしましょう!