コトゴトの散文

日常のコトゴトが題材の掌編小説や詩などの散文です。現在は「竹取物語」を遊牧民族の世界で再構築したジュブナイル小説「月の砂漠のかぐや姫」を執筆中です。また、短編小説集をBOOTHで発売しております。https://syuuhuudou.booth.pm/

【閑話】480編のマイルストーン

 

 

 

 みなさん、こんばんは。くにんです。 

 あっという間に、もう年の瀬ですね。今年の後半は特に月日が経つのが早く感じました。残暑が長く続いたのと年内の早いうちに寒波が来たのとが合わさって、秋を感じられる時間が短かったからでしょうか。

 空気が乾燥しているからか、ウチのニャンコ「タヌ」くんが、静電気バチバチになって困っております。

タイプ:悪・静電気

 

 

 さて、今回は約480編のマイルストーンです。いつもの通り、肩の力を抜いた閑話です。(#^.^#)

  

 まずは、御礼を。

 いつも長編物語「月の砂漠のかぐや姫」や短編・掌編小説等の創作物をお読みいただき、誠にありがとうございます! 

 「月の砂漠のかぐや姫」。今年の冬は特に忙しくて、文章を綴る時間の確保に苦労しております。残念ながら、羽磋たちは地下世界の中で年越しになってしまいました。すまん! 来年早々には、きっと、あーなって、こーなるからね!

 

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 今節には、短編小説「恋愛小説家北田文明の新作」が入っています。

 「恋愛小説家北田文明の新作」は、ムラサキさんがnoteで主宰されているアンソロジー「眠れぬ夜の奇妙なアンソロジー」に投稿したものです。今号のテーマは「恋愛小説家」でした。

 本作の中に作家と編集者がアドリブを掛け合う場面がありますが、これは「相手の言うことに自分の言葉を被せることを男女が繰り返し、登場人物にも読者にも何が本当なのかがわかるようでわからない、カオスで魅力的な場をつくる」と言うことをやってみたいと、兼ねてからアイデアを温めていたものです。ですから、本当はもっと延々と二人の掛け合いを続けるつもりでした。当初の考えよりも端折った形で本作に入れ込んだことが若干心残りとなっているので、どこか別の作品の中で、またやるかもしれません。(#^.^#)

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 ムラサキさんが主宰されている「眠れぬ夜の奇妙なアンソロジー」は、どなたでも参加できます。小説、詩、それに、イラスト等、創作物のジャンルは問いません。noteに投稿いただく際に、「#ネムキリスペクト」とタグを記入いただければ、それを目印にムラサキさんが収集してくださります。次号のテーマは「三つの願い」です。

 

 

 

 

左から「竜漸の理」、「アフターヘブン」、「四季の夢追い人」

 前のマイルストーンでも書きましたが、先日「文学フリマ大阪11」に行ってきました。文字媒体を愛する人たちのイベントだからか、落ち着いた雰囲気でとても良かったです。

 若い方だけでなくて僕と同年代の方も参加してらっしゃいましたし、たとえ一冊も売れなくても、「売る側」で参加しても楽しいかもなんて思いました。

 

 今節では、そこで購入した同人誌を3冊読みました。 

 「同人誌」にもコピー誌からしっかりと製本されたものまでいろいろあります。著者の目的(安価でいろんな人に配布したい、書店に並ぶ本と同様のものを出版したい等)が正しく形になっていれば、特にそれに優劣はありません。

 文学フリマで目にした同人誌全般に僕が持った印象は、昔に比べて格段に製本技術が進化していて、書店に並ぶ本とほとんど変わらないな、というものでした。違いとして感じたのは、「校正」です。どの同人誌もその点にも非常に気を配って作られたと思うのですが、どうしても著者や協力者の見直しとプロの校正者の見直しには差があるようで、僕が購入した同人誌にも誤植やミスがいくつか見られました。もちろん、それが小説の価値を損なっていたということは全く無くて、むしろ、プロの校正者の力量を改めて実感したということであります。

 いまは「カクヨム」等の小説投稿サイトがたくさんあって、そこで読んでいる方も多くいらっしゃるのでしょうが、僕はスマホやPCで長い小説を読むのはあまり得意ではないです。この3冊に載せられていた小説も、紙の同人誌になっていなければ出会うことはできなかったことでしょう。でも、著者さんが紙の同人誌制作という手間もお金もかかるものに踏み込んでくれたお陰で、とても良い読書時間を過ごすことができました。

 

 以下、簡単な感想です。

・「竜漸の理」(著:齋藤 紅人)

 国を守ってきた古竜の腹部に腫瘍が見つかり、竜の手術という難題に宮廷魔術師が挑むことになる、という王道ファンタジー。新書サイズ、2段組、311頁。読み応えたっぷりです。しっかりと構築された世界の中を主人公と一緒にドキドキワクワクしながら長く旅したので、この出来事に留まらず、他の出来事についても小説として読ませてほしいと思いました。続編でてないかな。

・「アフターヘブン」(著:八束)

 スペイン内戦における歴史記憶法(通称)から着想を得て制作されたフィクション。

 架空世界のとある女子学校を舞台にストーリーが進みます。そこに集められた生徒たちには皆同じ事情があって・・・・・・。良く練られた演劇を観たような読後感を得ました。明確な形とならず、上手く単語にできない気持ち。でも、本作を読む前には持っていなかった気持ちが、心の中に生じます。それが温かいものなのか重く冷たいものなのかは、読者によって異なるのかもしれません。

・「四季の夢追い人」(著:葛野 鹿乃子)

 「少し不思議でほんのり切ない幻想は、現実のすぐ隣にある」という著者の言葉通りの落ち着いた柔らかな雰囲気を持つ短編8編が収められています。良い意味で、どの短編にも同じ著者が書いたとわかる空気が満ちています。

 素敵です。凄いです。こんな風な短編を書きたいです。でも、僕には書けないです。次の文学フリマで別の本を購入できたら幸せです。

 

 

 さて、今回のマイルストーンはこの辺りでお終いにしたいと思います。

 

 次のマイルストーンは、新年ですね。

 暖かな年越しになりそうですが、インフルエンザなども流行していますし、皆さん体調には十分お気を付けて、良き年をお迎えください!

 

 では、また、次のマイルストーンでお会いいたしましょう!